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[Traveller’s Guide] 青い麦畑の海から望む済州本島の絶景
済州島の離島 ・ 加波島探訪
2012.04.05 (木) 玄善允 jejudesk@jejujapan.com

                     Traveller’s Guide                                                   

   
▲ 一面に広がる青い麦の海、加波島を実感してみよう!       撮影:玄善充

済州島の離島で、韓国最南端として人気を集めている馬羅島、それと済州本島の狭間にあるもう一つの離島・加波島が2011年に韓国全土における「今月の漁村」、「韓国代表漁村」に選ばれるなど、にわかに脚光を浴びている。僕はそうでなくとも、以前に本で偶然に目にした情報によって興味を持っていたのだが、今回ようやく訪問の機会を得た。

初冬にブリのつかみ取りができるブリ祭で人気を集める摹瑟浦で定期運航船に乗船し、20分足らずで加波島に着いた。摹瑟浦で既に強い風に見舞われていたのだが、さすがに離島となると、一層の風の激しさに一瞬、怯んだ。しかし、本島の方に眼を上げると、松岳山、山房山、そしてもちろん漢羅山その他の山々がまるで屏風絵のように連なり、幻想的な光景に感動。そして眼を逆方向に転ずると、本島からなんども見たことのある馬羅島がほとんど眼と鼻の先のように、その全景をくっきりと現わしている。眼でそんな贅沢を味わえるのは、この島の地形その他の条件が何重にも重なってのこと。この島は、一番高いところでも海抜25mといったようにほとんど平坦で、そのうえ、木がない。建物も二階建てなどほとんど皆無といったわけで、眼を遮るものなど何もないのである。しかし、その分、厳しい風を遮ってくれるものもないわけで、おそらく風の島・済州島以上に風の島という名がふさわしいであろうこの島の住民の、風にまつわる苦労は並大抵でないに違いない。

さて、ともかく島の全貌を、というわけで、海岸沿いの一周道路を歩き始めた。まず目に付いたのが野生のサボテン、次いでは、高さ1m足らずの松の苗木が随所に。横の標示板を見ると、緑を育てる運動(済州発展研究院JDC)とあり、木がない島に木を育てる事業が試行されているらしい。

ようやく僕のこの島訪問の目的の一つである、女性たちの巫俗信仰の聖地・ハルマン堂にたどり着いた。荒々しい風、波、そして木がないなど幾重にも厳しい自然環境の中で生き抜くために女性たちが頼り、信仰してきた聖地は、頑丈なコンクリートの防波堤の向こうの岩場にひっそりと埋まるように佇んでいた。まるで現代が過去の女性たちの喜怒哀楽を隠してしまっているようで、一抹の寂しさを禁じ得なかった。その少し先には、カルメギ(カモメ)岩があって、それもまた寂しそうな感じ。同じ船に乗っていた本土からの女性観光客にその話をしてみたところ、ほとんど関心をもたない様子で、僕が、一周道路からそれて防波堤の先までわざわざ足を伸ばしたことの方が不思議という口ぶり、表情だった。観光客には無縁のところなのだということを思い知った。

風の抵抗を受けながら1時間足らずで一周、帰りの船の出航の時間までは余裕があるので、今度は島の内側に向かうオルレコースをたどった。そしてそこで初めてこの島のキャッチフレーズである「青い麦の島」を実感できた。一面の青い麦の海、そしてその麦の海の中をまるで小船で航行するような気分。キャッチフレーズに嘘はなかった。そしてその青い麦の海、その先の本当の海、さらに先の済州本島の山並みを一望して、この島の真価を思い知った。

麦畑の先、島の中央には、地にへばりついているかのような家並みの集落があった。そしてその外れに、加波島初等学校を見つけた。学校くらいがなんだ、という人がいるかもしれないが、この島ではそこが観光地として挙げられているのである。何故か。自然環境が厳しく貧しいからこそ島の人々の結束が強く、しかも子弟の教育に一致団結して努力してきた、いわば共同体の成果の一つというのであろう。その他にもその種の伝統がいくつかある。先に触れた「ハルマン堂」信仰もそうだし、ハルマンバダンといって、老いたり病弱の海女のために優先的に容易で良好な漁場を提供する制度などが、ここだけに限られたことではないけれども、村の郷約に明記されているという。

ちなみに、環境の厳しさを象徴するもののひとつとして「馬糞餅」というのが昔は重宝されていたらしい。木がないから燃料としては流木以外では、馬の糞を平たく丸く固めて干して、それを燃料として使っていたというのである。いまさらながらに昔の人の知恵には舌を巻く。尚、共同体のDNAというものなのか、現在、この島では炭素排出ゼロを目指すグリーンの島プロジェクトを展開中で、島の景観を唯一汚している電線、電柱をすべて地下に埋設する事業も来年度には完了するという。青い麦の島祭といったイベントも毎年開かれ、多彩なプログラムが展開されている。自然にやさしくて美しく、昔の情緒を保全している離島、加波島にぜひとも一度は!

 

アクセス問い合わせ:西帰浦市庁海洋水産課(064-350-5414)、船便問い合わせ:080-500-5414、9時から毎2時間に1便、往復14000韓国ウォン


玄善允(済州ウィークリ編集長)
 

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