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済州オルレに魅了されて人生を発見した演出家
2012.01.04 (水) 安幸順 jejudesk@jejujapan.com

   
   
▲ 2011済州オルレ・ウォーキング フェスティバルの総監督、鄭禱娟さん 撮影 : 安幸順
出会い…

夏の終わりのある日のことだった。済州オルレ・フェスティバル監督を名乗る若い女性が済州大学のとある研究所に現れた。ソウル出身で、オルレにおける地域住民の参加による済州伝統の公演、展示プログラムなどを構想しており、その参考になりそうな済州島の歴史や文化、民俗などに関する本を探しているのだと言う。唐突だし、その話に半信半疑ながらも、私は持っているすべての本を取り出して、机の上に置いた。彼女はそのまま日が暮れるまで、それらの資料と格闘して動かなかった。次の日もそのまた翌日も日参しては、資料のチェックを続けるのだった。その姿を見て、本気だなと納得した。それから数か月後、彼女は満面に笑みを浮かべながら再び現れた。

大学での専攻はフランス文学で、卒業後は就職もして働いていました。ところが28歳の時、突然これでいいのか、本当に自分がやりたいことは別にあるんじゃないか、と悩み始めました。そのあげくに選んだのが映画の演出でした。子供の時から映画が好きでした。父が映画マニアで、その影響ですね。それで大学に入り直し、演出家になるための勉強を始めると同時に現場の経験も積みながら卒業し、すぐ映画のスタッフとして2年ほど働きました。ところが、自分が描いていたものではないと思い知り、やめました。自分の夢に近づくにはどうすべきなのかを考え、大学のとき授業を受けたことのある演劇演出家(公演演出家)の先生の下なら、という確信が持てましたのでその先生にお願いすることにしたのです。少し異なる分野(公演、演劇、映画など)とはいっても、演出には変わりはなく、最終的には一つに通じるはずだと信じていたのです。

その後、スムーズに夢が叶って、済州オルレ・フェスティバルの監督を依頼されたのか好奇心をそそられた。

そうじゃないんです。演出家としてデビューも果たし忙しく過ごしていた頃に、「済州オルレを歩かないと後悔する」と知人に言われたのです。それで済州にやってきて、驚いたのです。それまで何回も済州に来ていたのに、なぜその素晴らしさに気づかなかったのかと。最初の3泊4日の予定が延び延びになり、結局は10日間もオルレを歩きました。出会った方々と話を交わし、自然に感激しながら歩いているうちに「ここでテグム(韓国の固有の横笛)演奏が聞きたい、ここはチェロが似合うよね~」とアイデアが閃いたのです。でもソウルに戻ると、忙しさに紛れて、そんなことはすっかり忘れていたのです。そんなある日、たまたまインターネットで済州オルレ・フェスティバルの記事を見たのです。忽ちのうちに興奮し、それを抑え切れないままに、済州オルレのソ・ミョンスク理事長に手紙を書きました。オルレを創案してくださったことに対するお礼、真っ直ぐに走ってきた自分にとってオルレとの出会いは言葉で形容しがたいものだから、演出家としてフェスティバルのお役に立ちたい、といった内容の手紙でした。

積極的な彼女の生き方とオルレに対する感謝の気持ちがあいまって、ボランティアに近い待遇であるにも関わらず、2009年のフェスティバルの演出という大仕事を手掛けることになった。しかし、第1回目は、やりたい気持ちが高ぶるがあまり、思い通りには行かなかった。そこでその原因を徹底に分析し始めた。そして結論に至った。済州を知らなくてはこれ以上何もできないと。その後は、他の仕事をすべて断り、6ヶ月前から済州に住み着いた。住民達に会い、自分のアイデアを説明し、協力を求めた。料理専門家に頼んでは村の婦女会での講習会を開き、村の各種の名人を探しだしては、試演をお願いして回った。アーティストはできる限り地域で活動する人に絞って、探し出した。地域祝祭の意味が十全に発揮された2010年済州オルレ・フェスティバルには、各種の文化移住者も加わり、大好評で幕を下ろした。路上での公演で、自然と公演をいかに結合させるかに意を用いた彼女の努力に拍手を送りたい。今年の成功で、来年はもっと負担になるのではないか、と愚問を投げかけた。

やっとスタートすることができました。たしかに今年は満足度が上がりましたが、6ヶ月でも準備が足りないんですね。やはり1年くらいは必要かも。

どう生きていくのかを真剣に考え、悩む人々は新しい道を模索する。済州オルレは、そんな人たちを待ち受けている。路上で出会う新しい友人たちが、そんな人々の悩みを黙って聞いてくれる。なだらかな稜線、隙のある石垣、仔馬のかわいい仕草など、人の心を和ませてくれるものが多くある。そればかりか、厳しい環境と悲しい歴史の傷痕、そしてそれを乗り越えてきた歴史も併せ持っており、悩む人々に希望とエネルギーを与える。演出家鄭禱娟(チョン・ドヨン)はそうしたことを理解しているからこそ、無理のない動線をつくる。来年はさらにいかなる進化をとげるのか、楽しみがまた増えた。
 

 

 インタビュアー : 安幸順 jejudesk@jejujapan.com

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登録番号 : Jeju Da 01093   登録時間 : 2008年 11月20日   発行人 : 宋姃姬
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